参考資料
立ち上げの経緯
2003年にリリースされたX operations(本家XOPS)は、
・テクスチャーなどの外部ゲームデータが、汎用的なファイルフォーマットであること。
・マップなどの独自フォーマット形式のファイルも、公式エディタで作成・編集が行えたこと。
・有志によりゲーム本体の解析が行われ、パッチや改造支援ツールが積極的に提供されたこと。
などの理由により、個人でゲームを改造・カスタマイズして楽しむことも容易なほか、特に2006年~2010年代前半 頃に掛けて多くのMOD(改造パック)が生まれました。
本家XOPSのソースコードや設計資料は、公式には一切公開・提供されていません。(2014年6月現在)
ゲーム本体側の新たな解析作業や改造作業には 非常に高度な技術が必要であり、限られた一部のユーザーにしか行うことができず、極めてハードルの高いものでした。
そこで、本家XOPSと完全な互換性を持ったFPSゲームを開発し、それらをオープンソースとしてソースコードや設計資料を公開することで、XOPSへの新たな可能性を見出すことを目指し「OpenXOPS」を立ち上げました。
他にも、[-_-;](みかん)の個人的な勉強・スキルアップも兼ねています。
※本家XOPSのプログラムを担当された nine-two氏 に対して、本家XOPSのソースコードを公開されていないことを批判するつもりはありません。念のため。
歴史
ここでは、OpenXOPSの歴史を簡単に紹介します。
前身の「自作偽XOPS」
2009年12月~2010年1月頃から、C言語でDirectXを取り扱う勉強として 本家XOPS のようなFPSゲームを目指し作り始める。 当時は計画・方針が定まらず二転三転し、一時期『XOPS関係ソフトウェア向けのライブラリを作る』とも言っていた。
2010年3月13日に 自作偽XOPS(偽XOPS、fxops とも) としてクローズドソースで一般に初公開する。何度かのバージョンアップを経て、同年4・5月頃に開発を実質的に終了。
OpenXOPSの考案
2013年1月下旬、本家XOPSの某ユーザーコミュニティにて、ユーザーでXOPSのようなFPSゲームを作る案が浮上する中、[-_-;](みかん)自ら OpenXOPS という名称とオープンソースによる開発案を考案。
その後、同年2月下旬、[-_-;](みかん)自身の個人ブログにて、「XOPSと完全互換」「機能追加や仕様変更はしない」方針に言及。
プロジェクト立ち上げ
2014年5月頃、内々にプロジェクトの検討を開始。関係各所への連絡・確認を始める。同年6月に実質的な開発(先行開発)を開始する。
2014年7月10日、OpenXOPSの開発を正式に決定。Webサイトを立ち上げる。
2014年7月下旬、OpenXOPSのデモ版(サンプル)として、バイナリ・実行ファイルを初版リリース。
同年8月中旬、ニコニコ動画内にOpenXOPS初の動画を投稿。同9月初旬、OpenXOPSのロゴマークが決定。同年12月初旬、ドメイン(openxops.net)を取得しサイト移転。
2015年1月10日、OpenXOPSのソースコードを初公開。
修正BSDライセンスの適用理由
主な理由は以下の通りです。
・原文(英文)も単純で読みやすく、極めて一般的なライセンスのため日本語訳も出回っており、総じて理解しやすいライセンスである。
・派生プロジェクトにはソースコードの公開を義務化しないライセンスである。(検討理由は次の通り)
1、XOPSユーザー間の文化的背景として、MODの改造技術が直接公開されないことが多く、「改造方法は可能な限り秘密にしたい」と考えるユーザーもいることが予想されるため。
2、OpenXOPSと同じく本家XOPSを目標・参考にする派生プロジェクトが生まれるとは考えにくく、OpenXOPSに対するフィードバックが重要でないため。
3、本プロジェクトの成果物が、ライブラリとして活用される見込みがないため。
4、その他、総合的な判断による。
・派生プロジェクトに対して同一ライセンスの適用を求めないライセンスである。(ウイルス性がない)
OpenXOPSの「完成」は存在しない
このOpenXOPSプロジェクトは『本家XOPSとの高い互換性を目標に完全再現を目指す』ことですが、厳密には本家XOPSと同一のゲームではありません。
例えば音楽で、近年の市販曲を耳コピー(採譜)する場合、非常に近い曲を作ることができても、完全に全く同じ曲を作るのは不可能に近いと思います。
例えは美術作品において、既存の作品を模写(厳密には 転写)する場合でも、元の作品に極めて類似した作品に仕上がっても、厳密には全く同じ作品は作れないはずです。
究極にはOpenXOPSも、本家XOPSと同一のゲームを作ることができれば、本家XOPSを完全に再現することができます。
しかし、前述の音楽や美術作品と同様にゲーム(プログラム)も、異なる作者がゼロから作っている以上、完全に全く同じゲームを作ることは現実的にほぼ不可能です。
各個人の主観的な判断で「同じゲームだ」と認知してもらえれば、ある意味でプロジェクトの終着点になります。
『本家XOPSとの高い互換性を目標に完全再現を目指す』というのは、最も単純・明快な目標設定であると同時に、最も困難で実質的にゴール(完成)が存在しない究極の目標でもあります。

